言霊セミナーテキスト
- 冒頭
- 言葉と言霊の違いについて
- やる気と新しい自分
- 記憶の目的
- 運の良さ
- 腑に落ちる体験について
- 質問:知識として知っていることと腑に落ちていることには大きな差がある。全ての知識は結局、体験して自分で悟るしか人生に影響を与えないのではないか
- 質問:やる気と「新しい自分になる」ことは近いものか
- 質問:新しい自分を想像してワクワクまではするが、行動に移せない。イメージ力が弱いからか
- 質問:バフェットの投資への熱意も言霊の影響と言えるか
- 質問:頭と心と行動を一致させるために、何をやらないと決めたのか
- 質問:新しい自分になるのを邪魔する「ホメオスタシス」を回避する有効な方法は
- 質問:デジタルデトックスは脳をフラットにするために行うのか
- 質問:ワクワク度は鍛えて上げられるものか、それとも心からワクワクするものを探すのが正しいか
- 質問:運の良さの川幅は状態によって変わるのか、それとも一度広がったら一定か
- 質問:勉強を頑張ってやる気で始め、それが習慣化してやる気を出さずにできるようになる、という話にワクワクは不要か
- 質問:スポーツで基礎練習を淡々とするのではなく、常に新しい要素を組み合わせる必要があるか
- 質問:染色体異常のある人もいるのか
- 質問:新しさ・ワクワクから習慣を生み出すことが、思考が現実化するメカニズムか
- 質問:反復するたびに新しい発見があって気持ちいい時があるが、それは脳が違うものとして受け取っているのか
- 解像度と魚の目
- 体の声・直感について
- 質問:静かな読書や芸術鑑賞の時も、心臓など身体的な情報処理は行われているのか
- 質問:目を磨くと解像度が上がるか
- 質問:直感は心臓から来ている可能性があるか
- 質問:バフェットは体の声に従っているのか
- 質問:内臓感覚と直感は別物で、内臓感覚は振動を受信している可能性があるか
- 質問:オーリングテストなどは、脳に上がっていない体の声を聞く方法か
- 質問:予知能力と体の声は違うか
- 質問:直感は体で感じた声を脳で処理している状態か
- 質問:記憶は全身に保存されているか
- 質問:五感を全て磨いた結果が魚の目なのか
- 質問:体の感度を上げる方法は。瞑想や皮膚へのタッチか
- 質問:脳によい生活をするために体力が心配だが、何から始めればいいか
- 質問:直感と思考の関係性。直感が主で思考は従、という捉え方についてどう思うか
- 質問:イチロー選手が毎朝カレーを食べていたのは、体の繊細な感覚の違いを知るためか
- 質問:アニマルセラピーは、動物が体の声を感じて発するエネルギーに人間が影響されるメカニズムか
- エネルギーの伝播について
- 質問:戦争が起こる理由は、民衆が体の声を同期しているからか
- 質問:解像度が上がるとネガティブな側面も見えて苦しむ機会が増えるのでは。そのバランスはどう取っているか
- 質問:トラウマなど体に染みついた習慣や身体感覚を克服するにはどうすればいいか
- 質問:言葉の使い方や言語化をどう意識すれば、脳の状態をいい状態にして引き寄せや実現に近づけるか
- 質問:ファイト・オア・フライトの状態と、セミナー前半で出た「やる気を出す」状態は同じか
- 質問:霊感の強い人は解像度が高い人と考えていいか
- 質問:ポジティブ・ネガティブは解釈次第で、器が大きければネガティブに見えるものからも距離を取らなくていいのでは
- 質問:病気は「ずれ」を体が教えてくれているものだと分かった。ずれたことをしていると病気になると捉えていいか
- 質問:大切な人が怪我をした時、「治れ」ではなく「元に戻れ」と願う方がいいか
- 質問:言霊・解像度が高い状態で情報発信をすることは、常に新しい自分に生まれ変わっていくことなのか
- 質問:会話中に知っている言葉が出てこないことがある。原因と対策は
- 質問:心の中で「気持ち悪い」「うるさい」と感じるネガティブな感情にどう向き合えばいいか
- 質問:子供に多い皮膚炎やアトピーも、何かがずれているから起こるのか
- 質問:花粉症を治したときはどのようなずれを自覚し、どう治したのか
- 質問:肉体的な痛みの原因がないのに慢性的に痛みが続く「中枢性感作」のような状態を改善するには
- 質問:解像度を高めるために何を意識すればいいか
- 質問:「世界に背を向けて神になろうとした」とのことだが、神はいると思うか
- 質問:自然な状態でない自分になる行為(美容整形など)は、流れに乗りにくくなるものか
- 質問:中学生の息子がネガティブな言葉をかっこいいと思っている。親としてできることは
- 質問:口が悪いのに優しさや愛情を感じる人がいるのは、思いのエネルギーが乗っているからか
- 質問:生きていて「これは運命だ」と感じる瞬間が多い。自分らしく生きていることと関係があるか
- 質問:本当の自分らしく生きるためには自我の崩壊が必要か
- 質問:自己洗脳とマインドコントロールの違いは
- 質問:妻が長くうつ病だった時、「良くなろうがなるまいが変わらずそばにいよう」と本気で思えた瞬間があり、その後回復した。これは今日の話と同じことか
- 質問:今の体型が気に入らなくて筋トレをすることは自己否定になるのでしないほうがいいか
- 質問:「影響力は言葉、場の空気、関係性の順に強くなる」と以前教わったが、言霊で説明できるものは何か
- 質問:言霊とマインドコントロールは対極になるものか
- 質問:異常に怖がりだったり、マイナス思考の人は、あらゆる状況を想定しすぎている=解像度が高い人なのか。意図的に解像度を低くする方法はあるか
- 質問:美容整形で、老化に伴う機能や見た目の問題を修正する行為も流れを悪くするか
- まとめ
冒頭
皆さん、いかがでしょうか。木坂でございます。
今、何人ぐらい見ているか、まだ数字が出ていません。人数はわからないようです。ですが、コメントはたくさんいただいています。
質問はまだ来ていません。質問がありましたら、随時お答えします。
18ヶ月を希望する声が多数あるようです。なるほど、いいですね。人生を好転させていく、極めて胡散臭い感じのタイトルにして募集したいですね。せっかくですから、いつか本格講座をやっていきます。
募集の動画は2本出していると思いますが、質問は随時チャットに書き込んでください。私のセミナーに慣れている方は、いつも通りの雰囲気で書いていただければ、安藤さんが拾って読みます。初めて受講される方も、「これから質問タイムです」という時間は設けませんので、気になったことは随時書き込んでください。安藤さんが全部拾ってくれますので、遠慮せず書き込んでいただければと思います。そのスタイルで進めたいと思います。
早速、質問が来ています。「木坂さんが考える言葉とコトダマの違いが聞きたい」というご質問です。言葉と言霊の違いですね。承知しました。
言葉と言霊の違いについて
この講座は、最初に公開した2本の動画でも、私たちが雑談している様子を公開していますが、そこで話した範囲を大きく超えないようにしたいと思っています。無限に話せることはあるのですが、せっかくその動画を見て申し込んでくださっているので、動画で話した内容――1本目でお話しした「思考は現実化する」というメカニズムや、引き寄せの法則とは何かということ、2本目でお話しした「運の良さ」というものがはっきり説明できるようになってきていること、それが個人だけでなく集団ベースで見ても客観的に観察できるようになってきていること――を中心に掘り下げていこうと思います。
この2本の内容はもちろん関連していますので、その辺りを中心に構成していきますが、それだけでも2時間では収まらないかもしれません。質問への回答も含めると、もっと時間がかかる可能性があります。なるべくコンパクトにまとめていきますので、動画で見た内容と全く関係のない話がずっとされている、というような印象にならないよう構成していきたいと考えています。
最初にいただいたご質問、「言葉」と「言霊」の定義についてお答えします。
私の中で「言葉」とは、ある意味で客観的なものです。例えば「言葉」と文字にしても、それは言葉です。仮に「言霊」と書いても、これもやはり言葉です。ですが、そこに何らかのパワーや念がこもっているものを、私は「言霊」として区別して使っています。
つまり、言葉自体には特別な色がついているわけではなく、純粋に情報を凝縮したもの、概念化されたものとして使っています。それは記号と言ってもよく、例えば「マジック」という言葉が何かを指し示す記号であるように、何らかの機能を持たされたものが「言葉」です。
一方「言霊」は、機能よりも念やパワー、エネルギーの方にフォーカスが当たっているイメージです。その根底にあるのは「願い」のようなもの、何かを強く願う気持ち、あるいは何かを信じる気持ちだと思っています。こうした心の奥底にある願いや信念が表に乗ってきたもの、その思いの強さが乗ってきたものを「言霊」と定義しています。
質問:スポーツファンの声援は言霊か
これは人によります。例えば、私自身はスポーツに興味がなくても、誰かに連れられてスタジアムに行き、会場全体が盛り上がっている中でなんとなく自分も盛り上がってくる、ということがあります。本来自分の心の底にはそういう思いがなかったとしても、それにもエネルギーが乗ることが科学的に証明されてきています。これが今日の1つのテーマです。
人間の思いやエネルギー、言葉が持つパワーというものは、当たり前に心の奥底から出てくるものとしてまずあります。もう一つのあり方として、パワーがある人に同期することによってパワーが乗る、ということが確認されてきています。
このあり方は非常に重要で、今まで見逃されてきた部分です。内面を掘り下げる研究はいろいろされてきましたが、同調や同期を確認する手段がなかったため、これまであまり行われてきませんでした。しかし、ここ20年ほどでかなり研究が進んでいます。
一つの例として、日本のグループ「嵐」の研究があります。すでに解散していますので、ファンの方がいれば失礼のないようにと思いますが、熱狂的なファンを抱えることで有名なグループです。そのファンの集団がライブを楽しんでいる様子を、様々な機器を用いて観察した実験があります。驚くほど身体的な状態が同期していて、まず脳波が同じになり、心臓の鼓動が同じになります。驚くべきことに、瞬きの瞬間まで同じになっていました。それほど肉体が制御され、同期しているのです。人はその場にいると、熱が同調してくるものです。
そういう機能を人間は進化の過程で発達させてきました。それは第2染色体の機能だということまで分かっています。第2染色体は脳の大脳皮質にたくさんあり、その機能は同調や同期、思いやり、愛情、共感、自己制御など、極めて人間的だと言われる特徴を主に司っています。人間はこれをものすごく発達させてきたことが分かっていて、それが脳の中で脳の同調が起こるように作られています。
これは進化の過程で、人間にとって有利な特性だったのでしょう。村の仲間と同調しながら一致団結して生きていけるように、自然とそうなるようにできています。人間の脳は染色体レベル、DNAレベルでそのようなことが起こるように進化してきたということが分かっています。だから、「腐ったりんごを1個入れておくと他のりんごも腐る」というような話は、もはやメタファーではなく、そこにいる人たちのエネルギーが同期していくという、確認された事実だということです。
質問:「ありがとう」でも呪う言葉として使われた場合は?
その通りです。言葉の音が大事なのではなく、乗っている思いが大事だということが分かっています。私が一貫して「念」「パワー」「エネルギー」「願い」「信じる気持ち」といった、抽象的で形のないものを指し示しているのは、これも実験で確認されているからです。言葉を発すること自体が重要ではなく、思っていることが重要だということが分かっています。
ヒーラーの実験について
最初の募集動画でも少し触れましたが、詳しく説明します。ヒーラーが「今ヒーリングをしています」という状態で、実際に誰かにヒーリングを行い、その様子を最新の設備で解析していく実験があります。
まず分かったのは、ヒーラーがヒーリングをしている状態では脳波が極端にシータ波に寄っていくことです。それにつれて、被験者側の脳波も同じシータ波になっていきます。さらに心臓も同期していくことが分かっています。
面白いのはその先です。同期したエネルギー――波動と言ってもよいものですが――が手から出て、近くの物体に作用するという観察がされています。実際に、手の近くにある物体の分子配列が変わっていくことが確認されています。
例えば、コップに入った水があるとします。ヒーラーがそれを持ち、思いを込めると、それに応じて分子配列が変わっていきます。それが顕微鏡で観察できます。別の念を入れると違う分子配列に変わっていきます。
これに気づいた研究者が、さらに実験を発展させ、「大麦がよく育つように念を入れられますか」と依頼したところ、実際に大麦がよく育つようになり、栄養素も多く含まれることが分かりました。一方、何もしない水で育てた大麦と比較すると、明らかな差がありました。
かつては、これは思い込みの効果、いわゆるプラシーボ効果によって自然治癒していると解釈されていた時代もありました。しかし実際には、分子レベルで配列を変え、物理的に変化させていることが確認されています。
私自身もヒーリングを受けたことがあります。腰痛がひどく、立てないほどだった時、信頼していたヒーラーにお願いして施術を受けました。30分から1時間ほどで治りましたが、その間、腰は動いていました。骨がバキッと動くような感じではなく、小さな振動が皮膚から骨まで伝わってくる、くすぐったいような不思議な感覚でした。終わりましたと言われたら、すっと立てるようになっていて、痛みも消え、動きやすい状態になっていました。無茶はしないように、安静にはしておいてほしいと言われましたが、実際に物理的に体が変化していました。
こうした観察から、念というものは、音よりも、黙って念じているだけでも変化を起こすことが分かっています。これが乗っかった言葉を、私は「言霊」と呼んでいます。念がこもった言葉を言霊と呼んでいます。
質問:「水にありがとうと言うと結晶が綺麗になる」という話は本当か
結晶については私は分かりません。ですが、分子配列が変わることは分かっているので、「ありがとう」という言葉そのものよりも、「ありがとう」という気持ちによって分子配列が変わることは十分にあり得ると思います。
質問:妊娠中に良い言葉をかけると羊水も変わるか
変わるはずです。その理屈で言えば、念が大事なのです。
かつて「モーツァルトを聞かせるといい」と言われた時代がありましたが、それはモーツァルト自体がいいというよりも、モーツァルトの音楽に込められたエネルギーが乗っているかもしれないということ、演奏者のエネルギーが音源を通して伝わるかもしれないということ、そして音を聞いた母体の状態が穏やかになればいいイメージで念じることができるということ、という3つのレベルで考えられます。それがおそらく良い影響を与えるのでしょう。
質問:念は誰でも使えるのか
使えます。それは思いのエネルギーですから、誰でもできますし、ヒーリングも本来的には誰でもできます。もちろん、スポーツと同じで、野球は誰でもできますが、誰でも大谷選手になれるかというと話が変わってきます。それと同じで、超一流のヒーラーに誰でもなれるかというと話は変わりますが、ヒーリングそのものは誰でもできます。
「痛いの痛いの飛んでいけ」というのも、実はヒーリングの一種です。お母さんが子供のことを本当に「痛いの痛いの飛んでいけ」と思うから、飛ぶのです。「めんどくさいな、この子は」と思いながらやっていたら飛びません。あのレベルで、みんなできることです。それをどこまで大きく、強くしていくかは訓練によるものだと思います。
質問:友人に誘われて行ったライブでファンになった現象も言霊か
そうです。同期・同調したのです。
私も十数年前、浜崎あゆみさんのライブに弟を連れていったことがあります。弟はどちらかというとアンチで、「浜崎みたいなものを聞いている奴は」というような雰囲気でしたが、ライブが終わる頃には「もう一度行きたい」と言い出していました。もちろんアーティストとしての力量もありますが、その力量の本質は、会場に来た人たちを一体化させるエネルギーの強さにあります。あゆさんのパワーがものすごく強いために、そこにいた何万人もが同期し、弟もその例外ではなくなったのです。これは良く言えば良いエネルギーがどんどん増幅していくということであり、悪く言えば非常に危うい集団心理・群衆心理の一種でもあります。両面あるものですが、人生を良くしていくために活用するという意味では重要な話だろうと思います。
質問:言語化することと念の同調は同義か
同義ではありませんが、関連はしています。世界をどう見ていくかという話です。
例えば、あるものを単に「コップ」としか見ていない人と、もっと細かく言葉で整理して見ている人とでは、コップが見えなくなった時に頭に描けるイメージの鮮明さが違います。「コップ」としか思っていない人は、高さや直径、厚さ、透明度、水の量などを問われても答えられません。一方、細かく観察する人はそれらに答えられます。それだけ強いエネルギーで記憶したということです。
「コップ」としか思っていない人は、そこに1程度のエネルギーしか注いでいないため、脳はそれを重要でない情報と判断し、5秒ほどで忘れてしまいます。一方、それを詳細に描写できる人は、100程度のエネルギーで理解しているため、脳は重要な情報だと判断し、記憶します。
これは実は、記憶力の良し悪しの根本的な差です。解像度の高さが記憶力の良さと言い換えることもできますが、それは結局、どれだけのエネルギーを使ってそのことを覚えたか、ということなのです。
やる気と新しい自分
このエネルギーはどこから出てくるのかという話ですが、これは根性の話ではありません。「覚えるぞ」と気合を入れても、むしろ覚えられません。これは脳の研究で分かっていることで、皮肉なものです。
「やる気を出しなさい」「本気でやれ」とよく言われますが、やる気を出そうとすればするほど結果が下がるということが分かっています。これは非常に重要な研究結果です。「やる気を出したから成績が良くなった」という話はよくありますが、それは真実の全体を語っていません。やる気を出したのに落ちる人の方が実際には多いのです。予備校で一生懸命勉強しているのに結果が出ない人は、決して能力が低いわけではありません。それは自然なことなのです。
これが起こる理由は分かっています。やる気というのは、脳の機能上、非常に表面的で短期的なものです。緊急事態への回避のために使われる機能です。
一方、私たちが何か結果を出したいと思って取り組むときは、ある程度の期間、継続的に取り組む必要があります。それは今を過ぎればなくなっていいものではありません。「この危機さえ回避できれば大丈夫」というときに使うのがやる気であり、人生に関わるような変化を脳に与えたい場合に使うものではありません。
人生において重要な能力や感情、技術、知識を蓄積していくため、つまり脳を少しずつ変えていくために必要なのは、これとは逆のことです。やる気という要素から自由になっていくこと、「やろうとしない」ことだと言われています。
例えば、英単語を覚えたくないけれどテストでいい点を取りたい、という場合、「頑張る」というアプローチではうまくいきません。
私自身の経験ですが、高校3年生のラグビーの最後の試合で右手を骨折し、書くことができなくなったため、受験勉強の方法として英単語を1日300個、1ヶ月で約9000個覚えることにしました。骨が治るまでの1ヶ月間、それだけをやりました。これは記憶力が良かったからではありません。「覚えるぞ」と必死になっていたわけでもありません。単純に、英単語を覚えていくこと自体が楽しかったのです。1個ずつ知識が増えていく自分を発見するのが楽しかったのです。
人間は、「新しい自分」を強くイメージした時にしか、無意識のやる気が出ないということが分かっています。単語を1個覚えた自分は新しい自分であり、2個覚えた自分はさらに新しい自分です。9000個覚えた自分がどうなっているのだろうと、ワクワクしながらやっていました。つまり、単語を覚えようとしていたのではなく、9000個をマスターした自分をイメージして単語を見ていただけなのです。
これは非常に大事なことです。何かをマスターしようとしている時に、脳は本来の力を発揮するように作られています。「頑張っている」という状態では、表面的で一瞬の頑張りしかできません。人が変わるためには、変わった先の自分を想像してワクワクし、「そこに行くぞ」とやっている状態を、脳は好みます。そのとき脳は活性化し、自律神経全体もベストパフォーマンスを発揮していることが分かっています。このイメージがない人は、どれだけやる気を出しても成果が出ません。
私がセミナーを行うようになってから「記憶力がいいですね」と言われることがありますが、それは、本の内容を「覚えよう」としていないからです。その本の内容を完璧に自分のものにした自分を、いつも想像しているのです。「この本の内容が頭に入り、今まで読んできた本と全部繋げられたら、自分はどうなるのだろう」と、ずっとそれをやってきました。言語化すると少し気恥ずかしいのですが、脳の構造から見れば理にかなっています。ワクワクできないと、脳は動かないのです。
記憶の目的
記憶は何のためにあるのでしょうか。1つは、危険なものを覚えておくためです。危険を回避すること、生物としてサバイブするために必要な知恵です。これを覚えていなければ、同じ危険に何度もやられてしまいます。
もう1つ重要な機能があります。それはアイデンティティの確立です。昨日の自分と今日の自分が同一人物であると思えるのは、記憶が蓄積されていくからです。私たちは、自分のアイデンティティを守り、育むために記憶という機能を発達させたのです。
「新しい自分をイメージしてワクワクする」というのは、この記憶の機能に直接関連しています。人間の脳には「やる気を出したものを覚える」という機能はありません。危ないものを避けるために記憶する機能があります。これも脳が勝手に行うことです。危険だと感じると強く覚えるのです。
一方で、命には関わらないけれど、ワクワクしたこと、楽しかったこと、嬉しかったこと、悲しかったこと――つまり感情が大きく動いたことは、脳がアイデンティティに密接に関わるものだと理解するため、優先的に覚えます。感情が動いていない知識は、アイデンティティにも危険にも関係しないため、覚えません。
これは観察でも確認できます。ただ単語を100回繰り返して暗記させる群と、感情を動かしながら単語を覚えさせる群を比較すると、感情が動かない反復では、脳のニューロン伝達が海馬まで到達しません。感情が動いたものは最後まで到達し、長期記憶になります。それは「重要だ」と脳が判断するからです。こういったメカニズムが明らかになっています。
現代社会において、危険回避のための記憶の使い方はそれほど多くありません。とすれば、記憶を使う目的は主にアイデンティティの確立に関するものになります。それにもかかわらず、それと関係のない覚え方をしているから、うまく覚えられないのです。「新しい自分を作り出すために何かをやっている」という位置づけができると、非常に効率よくものを覚えられます。
質問:ソクラテスの言う「よく生きる」ことと関係あるか
「よく生きる」かどうかは分かりません。大事なのは感情、つまり「良いもの」に反応するような性質が、生物として育っているかどうかということです。先ほどの第2染色体は、思いやりや愛情、慈悲、連帯、自制なども司っていることが分かっているので、人間はそれを発達させてきています。よく生きることも人間の自然な性質だろうとは思いますが、科学的に明確に確認されているわけではありません。そう示唆する研究結果は多くあります。
運の良さ
自分というものが非常に重要なキーワードとして脳に認識されています。自分のために何かをしている時に、脳は本来の力を発揮するようにできています。ここでの「自分のために」とは、単純な自己利益という意味ではなく、アイデンティティとして喜ぶこと、つまり「新しい自分」に近づくことです。
例えば、今は人に冷たく当たってしまうけれど、もっと優しく愛情深い接し方をしたいと思っているなら、それが「新しい自分」です。より愛情に満ちた人間になることが自分のためになるので、脳はそこに大いに力を発揮します。その自分を強くイメージすることで、脳はやる気とは別のかたちで、自然にそちらへ向かっていくのです。
2本目の動画でお話しした「運の良さ」について、これはメタファーで言うと、川の流れのようなものだと思います。
川がこちらからこちらへ流れているとします。この流れは、自分の生命の流れ、人生の流れ、社会や世界の流れを象徴するものと考えてください。この流れの中に自分が入るとします。
川幅が大きくなればなるほど流れの量は増えます。これは、生命力が増える、出会う人が増える、起こる出来事が増える、得られる情報が増える、といった全ての流れが増えることを意味します。
一方で、川が平らか傾斜があるかという違いもあります。傾斜がつくと流れが速くなります。そうすると、あるポイントに立っている人が1秒間に経験する水の量は、幅が広く傾斜が急なほど多くなります。
運がいい人は、まずこれ――川幅が広く、傾斜がある状態――ができています。この人は運が良くなる傾向にあります。それは確率論的に出会いが多いからです。出来事、イベント、人、知識、情報との出会いが多いのです。
この流れの中に、自分の身をしっかりと投じている人はどういう人かというと、まず自分の人生をちゃんと生きている人です。自分を作り上げ、自分の人生を確立していれば、自分の人生の流れがちゃんとあります。
大事なのは、世の中の流れと自分の流れを一致させられているかどうかです。バラバラの流れを作っている人は、何のわけの分からない流れになっているだけで、全く調和していません。世界にはいろいろな流れがありますが、自分の流れがそれと一致している人は、楽に流れに乗って、ちょうどいいものを掴んでいけます。逆に、世の中の流れにアイデンティティの流れが逆らっていると、何も見えず、何も掴めず、辛くなります。
つまり、まず大切なのは、自分の人生という流れをちゃんと作ってきたかどうかです。ただし、これはやる気を出して自分の意思で作るのではありません。脳が自然とそれを行うのを邪魔しないことが大事です。
質問:一発で爆発的に売れた瞬間は流れにマッチしていたということか
そういうことではありません。私はよく「事故」と表現しています。
質問:やる気で頑張ることには快感を伴うが、それをやめるにはどうすればいいか
それは、タバコやお酒などの中毒の人がどうやってやめるかという話と同じだと思います。とにかく離れるしかありません。より具体的には、デジタルデトックスをお勧めします。スマホもパソコンも全部置いて、1週間ほど森の中に行ってみてください。おそらく治ります。
質問:妄想する力が弱いと感じる場合、日頃どうすればいいか
ワクワクすることを探すことです。妄想は客観的にするものではなく、体験の中でするものです。例えば、大谷翔平選手に憧れる子供は、野球をやりながら憧れるのです。テレビで見て「すごい」と思うだけでなく、地域の野球チームに通うようになり、やるようになって、さらに憧れが強くなります。
つまり、ぼーっと客観的に妄想するのではなく、妄想には必ず体験が伴っています。感情が動いて初めて、意味のある妄想ができます。妄想力が弱い人は、感情の動きが弱く、感受性が乏しくなっているのです。それを回復させるために、少しでもワクワクすることをやってみることや、デジタルデトックスも有効です。何かの毒のせいで感情が動かなくなっている可能性があるので、それをなくすことが先かもしれません。
質問:感情はどこから来るのか
物質的な話をするならば、染色体レベルの話をするなら第2染色体、脳の部位の話をするなら大脳皮質、心理学的な話をするならまた別の答えになります。どのレベルで問うかによって答えが変わります。
腑に落ちる体験について
質問:知識として知っていることと腑に落ちていることには大きな差がある。全ての知識は結局、体験して自分で悟るしか人生に影響を与えないのではないか
基本的にはその通りだと思います。ただし、具体的な体験が必要かどうかについて言えば、私は必要ないと思っています。ただ、通常は必要です。
大切なのは、脳がどう認識したかです。脳が「体験した」と認識するほど強くイメージできる人であれば、物理的な体験は必要ありません。ただ、通常はそれほど強いイメージ力がないので、体験した方が確実です。
実際、イメージトレーニングだけで楽器やスポーツが上達することは、以前から分かっています。筋力もイメージだけで蓄積されることがあります。イメージの強さが大事なのです。本当に体験したのと同じレベルでイメージできるなら、それは同じことです。ただ、何度も言うように、実際に体験する方が確実です。
腑に落ちたものが本当の意味で自分に影響を与えるというのは、その通りです。最初に述べた「パワーが乗る」というのは、自分が変わったという実感を持っている時だけです。そのエネルギーが乗ったものを「言霊」と呼ぶので、言霊になったものが自分と世界に影響を与えます。言葉そのものが影響を与えるのではなく、言霊になったものが影響を与えるのです。腑に落ちてエネルギーと感情が乗っかったものが、自分と世界に影響を与える、というメカニズムです。
質問:やる気と「新しい自分になる」ことは近いものか
全く違います。むしろ逆の概念です。「新しい自分になる」というのは、脳が無意識下で自動的に24時間365日行っていることです。私たちができるのは、それを手助けすることです。
一方、やる気は、脳のそのモードを一旦抑圧してオフにし、緊急対応モードをオンにする作業です。せっかくのモードが一旦オフになるので、逆の効果になります。
質問:新しい自分を想像してワクワクまではするが、行動に移せない。イメージ力が弱いからか
本当の意味でワクワクしていないからです。本当にワクワクしているというのは、いても立ってもいられなくなるということです。
一緒に仕事をしている山田さんという方は、まさにそういう人で、「モッツァレラチーズを食べたい」と思ったら、電車で何駅も離れた場所であっても、何の抵抗もなく買いに行きます。自分が欲しいと思ったもの、ワクワクしたものに対してじっとしていることが不可能な人です。だから、人生で願ったことを全部叶えてきています。体が、脳が動いているから、そのまま動いてしまうのです。
逆に、通常「悩む」という状態の人は、脳の興奮がそれほど強くないということです。ワクワクレベルはあっても、「電車を乗り継いで買いに行くほどのものか」と考えた時点で、脳はそのぐらいの重要度だと判断しています。本当に100%欲しいとなった瞬間には、着替えが始まり、準備が始まり、電車を調べ始めて、「行くか」となるのが正しい状態です。
質問:バフェットの投資への熱意も言霊の影響と言えるか
そう思います。それだけ好きなことをやっているのだから、そこにはすごいエネルギーが乗っていると思います。「数字が大好きで」という言葉に乗っているエネルギーの量が、私たちが想像する何倍もあるのだと思います。本当に好きなのだと思います。だから何十年もやっていられるのでしょう。
彼は投資だけでなく、本当に自分の好きなものしか周りに置かないということを徹底しています。それはやる気でやっているのではなく、自然とそうなっているのです。人間は本来、心からワクワクすることだけを優先してやるようにできています。私たちは教育を受けたことで、嫌なことを率先してやらなければいけないという思い込みができてしまい、それができなくなっているだけです。
バフェット氏が来日した際、和食のお店に予約をしたにもかかわらず、結局何も食べず、近所のマクドナルドでハンバーガーとコーラを買ってきて、それだけを食べて帰った、というエピソードを聞いたことがあります。ワクワクするもの以外は口にしない、それほど徹底しているということです。これは私たちにはなかなか難しいことです。だから私たちは世界一にはなれず、割と普通の人生になるのです。
質問:頭と心と行動を一致させるために、何をやらないと決めたのか
何をやらないと決めたということはありません。やりたくないことは何もしない、という感じで生きています。もちろん、子供の頃や学生の頃、やりたくないと思いながらやっていたこともありますし、今でも仕事だからやらなければいけないことはあります。そういうものはなるべく減らそうと思っています。だから私は世界一の投資家にはなれない、というだけの話です。
質問:新しい自分になるのを邪魔する「ホメオスタシス」を回避する有効な方法は
実は、人間の脳における現状維持への圧力というものは、脳科学的には確認されていません。なぜ人間がこれほど現状維持を求めるのか、脳科学の分野からは明確な答えが今のところ出せていません。
脳が反応する対象は限られています。アイデンティティに関わるものに反応する他、最も典型的に反応するのは「新しさ」です。脳は新しいものに自動的に価値を見出します。同じものには価値を見出しません。脳は刺激に慣れる性質があり、同じ刺激が続くと「重要ではない」と判断してサボり始めます。正しく認識しながら無視し出すのです。新しい刺激には「重要かもしれない」と一旦注意を向けます。
この脳の機能をちゃんと使うのであれば、いわゆるホメオスタシスは反応しません。それは心理学的に考えるから反応するように思えるだけで、実際にはそうではありません。脳はそんなことは起こさず、新しいものだけを求めます。だから、新しい自分だけを求めます。それを邪魔しているのは脳の機能ではない何かなので、脳の機能が発揮されるようにフォーカスする必要がある、というのが答えになります。
質問:デジタルデトックスは脳をフラットにするために行うのか
その通りです。毒が蔓延している状態では機能がちゃんと発揮されないので、その毒をなるべくなくすために行うということです。
質問:ワクワク度は鍛えて上げられるものか、それとも心からワクワクするものを探すのが正しいか
探すのは正しいです。ただし、「何がワクワクするかな」と考えて探すのではなく、やりながら探すのです。人間は何かをやりながらでないと、新しいものに興味を持つようにはできていません。ぼーっとしていては何にも起こりません。
「好きなこと、ワクワクすることが全然ない」という人は、何もしていない人です。仕事や家事は頑張っていても、それは感情が動かない状態で作業として行っているだけです。脳を動かさなければいけません。脳が動くと、無意識のシステムが動き、勝手に探し始めます。私たちが意識的に探そうとするとむしろうまくいきません。
何かをやり続けることが大事です。やっているうちに、どんどん楽しくなってくる。「もっとこうしたら美味しくなるかな」「もっとこうしたら上手になるかな」という新しい発見が脳を刺激し、興奮させ、ワクワクさせていきます。この新しさが興味を生みます。興味は勝手に持つものではなく、脳に新しい体験をさせることで自動的に生まれるものです。
サッカーなど、今までやったことのないことを無理やりでもやってみると、しんどくても楽しい瞬間が必ずあります。そこで初めて「どうやったらもっとうまくできるか」という興味が生まれます。それが本当の興味です。この興味がないと、脳は動かなくなってしまいます。
質問:運の良さの川幅は状態によって変わるのか、それとも一度広がったら一定か
基本的には幅は一定ですが、コンディションが悪ければ一時的に狭まることはあります。だからコンディションに気をつけなければいけない、と言っているのはそういう理由です。常に自分がベストな状態でいることが、川幅と傾斜を最大値に保つ重要な要素です。
質問:勉強を頑張ってやる気で始め、それが習慣化してやる気を出さずにできるようになる、という話にワクワクは不要か
無意味とは言いませんが、効果は薄いです。習慣というものを、そういう無味乾燥なものとして捉えないことです。「脳が喜んだもの」を習慣と呼ぶようにするといいと思います。
歯磨きはワクワクしないタイプの習慣です。もし「歯磨きをしてもしなくても虫歯率は変わらない」という発表が世界的に認められたら、多くの人はあっという間に歯磨きをやめてしまうでしょう。それは、必要だからやっているだけの作業だからです。本当の習慣は、やりたくてやるもの、自然とやってしまうものです。だから、そういうものを習慣と呼ぶようにするといい習慣が形作られます。
そうでないから「良い習慣」「悪い習慣」という区別が生まれるのです。ワクワクして脳が喜び、新しいアイデンティティ、新しい自分を形作っているものに、悪いものは存在しません。人間の脳には染色体レベル、DNAレベルでシンパシーや愛情のようなものが入っているのですから、それを信頼すること。今それが発揮されていないとしたら、何らかの理由でスポイルされているだけです。デトックスして毒を抜き、発揮できる状態にして脳を信頼し、ワクワクすること、楽しいこと、新しいと思うことをやり、興味を持って繰り返すことが大事です。それができれば、できあがる習慣は全て良い習慣になります。
質問:スポーツで基礎練習を淡々とするのではなく、常に新しい要素を組み合わせる必要があるか
そうです。タイガー・ウッズが一時期不調になり、大復活を遂げたことについて、さまざまな分析がされました。理由はいろいろありましたが、私が最も印象に残っているのは、彼が「ゴルフでは1回として同じショットはない」とずっと言っていたことです。「このショットはこの瞬間しかできない」という考え方です。
このメンタリティは非常に大切です。ドリブルを3回ついたら、3回とも違う動作をしていると思えるかどうかです。同じドリブルを毎日500回やらされていると認識すると、一生うまくならないでしょう。500回、新しいドリブルを習得している自分だと捉えられれば、脳は喜びます。基礎練習が楽しくなり、「どんどんドリブルが上手くなっている」と感じられれば、脳はさらに興味を持ち始めます。バウンドのリズムや音など、細かいところまで興味を持ち始めます。この解像度が、興味によって高まっていくのです。
興味を持たずに「今日も500回頑張ります」とやると、これは一切増えていきません。昨日と同じ500回、明日も同じ500回になってしまいます。これは成長とは言えません。感情が乗っていないので、この人の発する言葉や態度にはパワーが乗りません。言霊になっていないので、何も実現せず、相手にも何の影響も与えません。
質問:染色体異常のある人もいるのか
います。染色体異常による疾患はまだ全部解明されていませんが、多くのことが解明されつつあります。もちろん、どの染色体にも異常の可能性があり、どのタイプの異常になるかは一概には言えません。今の科学・医学ではまだ語り尽くせない部分で、研究が待たれるところです。
質問:新しさ・ワクワクから習慣を生み出すことが、思考が現実化するメカニズムか
それが直接そうなっているというより、今は土台の話をしています。ただ、こういうメカニズムで物事は進んでいます。
質問:反復するたびに新しい発見があって気持ちいい時があるが、それは脳が違うものとして受け取っているのか
そういうことです。それが解像度が上がっている状態だと思います。
解像度と魚の目
解像度という言葉をイメージしやすい例として、天気予報があります。天気予報は当たったり外れたりしますが、基本的に昔よりは当たるようになってきています。天気予報のアプリの雨雲レーダーなどで、「あと15分後から雨」と表示されたら、だいたい当たります。
天気予報の原理は、日本地図をメッシュに分けて分析していくというものです。台風がどこに向かうかという動きを、このメッシュ上でどう動くかという分析で予測します。メッシュが粗ければ粗いほど予測は外れやすく、細かければ細かいほど繊細な動きが分かるようになり、予測が当たるようになります。これが解像度です。スーパーコンピューターの性能向上によってメッシュが細かくなり、昔より今の方が当たるようになっています。
このメッシュが粗い人のことを「解像度が粗い」と言い、細かい人のことを「解像度が細かい」と言います。このメタファーから分かることは、解像度が細かい人ほど、未来がどうなるかを予測しやすくなるということです。「どうなるか分からず不安です」という人は、粗いメッシュでしか見ていないため不安になります。解像度が細かい人は、非常に細かい単位で見ているので、流れが見えてきます。
人生や世の中がどう動いているかも同じです。流れは読まなければいけません。読めないと、大変な目に遭います。どうやって読むのか、それは解像度を上げることです。そうすると、天気予報の予測と同じで、世界の動きの流れが見えるようになり、自分が今のままだとどうなるかも分かるようになります。「こっちに行くと世界の流れと離れてしまうから、自分は何かを変えなければいけない」ということが事前に分かるようになります。私が5年前や10年前に話したことが今になって皆さんに分かるようになる、というのはよく言われますが、それは予言というよりも解像度の問題で、5年後、10年後が明確に見えているだけなのです。
質問:メッシュの細かさは知識の量や経験で細かくなるのか
もちろん知識や経験によっても細かくなりますが、正確には、知識や経験そのものがメッシュを細かくするのではなく、知識や経験を得るプロセスがメッシュを細かくします。ただ暗記した辞書の言葉が100万個あってもメッシュは細かくなりません。意味のある形で覚えた後の方が、メッシュを細かくできます。
質問:新しい自分を確信した時、脳内で大きな感覚の変化が起こるか
脳とはそういうものだと思います。ある意味で、まだ起こっていないことを脳だけが先に体験しているわけです。
女性の方が男性より予感や直感が強い人が多いのは、女性の方がそういう意味のある経験と記憶を積み重ねてきているからだと思います。男性は関係のないことをずっとやり、頭でっかちになり、感情が動かないような客観的な情報だけに固定しがちなところがあります。女性は良くも悪くも、自分の今の人生、現実が大事だから、常に感情が動いたものを選び、感情でものを決めるということに悪びれる様子がありません。それを繰り返しているから、脳のこの機能が男性に比べて衰えていない傾向があると思います。
体の声・直感について
人間が幸福になるためには、3つの「目」が必要だとよく話しています。1つ目は虫の目、これはミクロなものを見る目です。2つ目は鳥の目、これは俯瞰して見る目です。3つ目は魚の目、これは流れを見る目です。
この魚の目が最も難しいものです。「流れをどうやって見るのですか」という質問に答えられる人はなかなかいません。「感受性を豊かにして」「考えるのではなく感じる」というような説明は間違ってはいませんが、あまり親切ではありません。
答えは、今日話してきた「解像度」を上げることによって、流れそのものが見えるようになるということです。逆に言えば、解像度を上げないまま魚の目を手に入れることはできません。虫の目や鳥の目は訓練できる方法論として確立されていますが、魚の目、流れを見る目についてはぼんやりとした結論しか語られていないことが多いです。
これを言葉で説明するなら、解像度を高めるような生き方を積み重ねることによって、自然と流れが見えるようになるということです。この「自然と」というのが非常に重要です。
脳科学の分野で、ソマティック・マーカー仮説というものがあります。30年ほど前に提唱された仮説で、まだ確立された理論ではありませんが、人間の脳が何かを認識する前に、体にその反応が出ているという考え方です。私たちの通常の理解では、脳が感じたことを信号として送り、体が反応すると考えますが、実はその逆で、体が反応した情報を総合して、やっと脳が意識するという仮説です。これを支持する研究結果がいくつか出ています。
心臓には心臓自体に脳のような制御機構があり、心臓の鼓動は心臓自身が制御しています。心臓は脳と連絡を取り合っていますが、脳から心臓への指令は最小限で、緊急時の補助的な役割程度です。逆に心臓から脳へ上がっている情報量は非常に多いことが分かっています。私たちの体は、あらゆる刺激や情報を体のレベルで一旦処理し、その処理し終わった結果を脳に報告しているのではないか、と言われています。
これを示す有名な実験に、ギャンブリング課題があります。A、B、C、Dというテーブルにカードが置かれていて、被験者は好きなところからカードを引きます。ある山はハイリスク・ハイリターン、別の山はローリスク・ローリターンになっていますが、被験者はそれを知りません。ランダムに引かせ、その都度感じたことをメモさせます。
多くの実験結果を通じて分かったのは、脳が「AとBはハイリスク・ハイリターンだ」と自覚し、それをメモに書けるようになるのは、だいたい80回目あたりだということです。しかし、体の反応を機器で見ると、40回目あたりからAB(ハイリスク側)を引く時に体に嫌な反応が出ています。さらに興味深いのは、20回目あたりから、AやBを引こうとする時に発汗量が増えることです。つまり、体は脳よりずっと早く分かっているのです。
この差は非常に大きく、体は情報を集め、予測しているのではないかということが分かります。頭で判断するのはとても遅く、体の声を繊細に聞ける人であれば、はるかに早い段階で適切な判断ができる、ということが言えます。
質問:静かな読書や芸術鑑賞の時も、心臓など身体的な情報処理は行われているのか
目から入った情報は、目自体が半分脳のような性質を持っているため、脳に直接行くと考えられます。一方、耳・触覚・味覚・嗅覚など他の感覚情報は、一旦視床を経由して処理され、そこから大脳皮質に上がっていくというプロセスが分かっています。嗅覚だけは視床を経由せず直接大脳に向かいますが、他の4つは視床経由です。そして、多くの場合は大脳皮質まで上がらず、視床で処理されて無意識のうちに終わっています。無意識的には処理されているという理解です。
音は音波として体に当たるため、聴覚だけでなく触覚的にも処理されている部分があり、その揺れは内臓に直接影響を与えます。私自身、音楽療法を受けたことがありますが、演奏の音によってお腹が動くという体験をしました。内臓が音を処理していることは、十分にあり得ると思います。
質問:目を磨くと解像度が上がるか
上がります。これは間違いありません。初めて見た動きをどれだけ正確に再現できるかという話とも関連します。この解像度が非常に高い人を「才能がある」と言うわけです。例えば体操の内村航平選手は、一度見た技をほぼそのまま再現できると言われています。動きが全て分かっていて、なおかつ再現できる、これが天才の理由です。足の先の向きまで解像度が高いからできてしまうのです。
質問:直感は心臓から来ている可能性があるか
心臓だけではないと思います。全ての細胞がその役割を担っていると思います。それを確認した実験は私は知りませんが、脳ももちろんその一部です。全身でやっているという理解です。
質問:バフェットは体の声に従っているのか
従っているかどうかは分かりませんが、そう思います。
日経平均が暴落した際、伝説のトレーダーと言われる方がその直前に「何か怪しいな」とSNSに呟いていて、その数分後に暴落が起きたというエピソードがあります。その方はインタビューで「プロというのは体で分かるものだ、それが分からない人は市場から退場していく」と答えていました。体の声が聞こえる人だけが生き残れる、ということです。頭で判断しているわけではないのです。
質問:内臓感覚と直感は別物で、内臓感覚は振動を受信している可能性があるか
受信していると思います。先ほどの音楽療法の例では、音による揺れを内臓が直接拾って反応し、音楽と共鳴しているという体験を私はしました。それは脳の介入を待たずに起こっていると思います。
質問:オーリングテストなどは、脳に上がっていない体の声を聞く方法か
そこは断言できませんが、その可能性はあると思います。ただ、私は特定の部位だけで何かをしているという考え方ではなく、全身が関わっているという立場です。
質問:予知能力と体の声は違うか
「予知」が何を指すかによります。災害の前に動物が異常行動を起こすというような話と、人間の予感の話は違うものです。動物は体感ベースだけで反応していると思いますが、人間の予感にはあらゆるものが混ざっているため、何とも言えません。
質問:直感は体で感じた声を脳で処理している状態か
脳で処理する必要はありません。20回目の時点でもう出ているものを、80回目になって脳が処理して言語化できた、というのを「直感」と呼んでいるだけかもしれません。
質問:記憶は全身に保存されているか
エピソード記憶のイメージは一旦外して考えていただきたいのですが、何らかの情報がストックされているという意味では、全身で行われていると思います。
質問:五感を全て磨いた結果が魚の目なのか
そういう風に見えるかもしれません。一般的な用語で言えばそうとも言えます。
質問:体の感度を上げる方法は。瞑想や皮膚へのタッチか
それも重要です。あと、強い刺激を避けることです。健康的な食生活を続けた後にファストフードを食べると余計にしんどく感じる、というのと同じで、感度が上がっている状態です。強い刺激を避けることが大事で、デジタルデトックスも強い刺激を避けるという意味があります。文明社会から離れて自然のリズムの中で過ごすことは、感受性を本来の状態に戻すことにつながります。感度は上げるというより、鈍っている部分が回復するということです。それで十分です。
質問:脳によい生活をするために体力が心配だが、何から始めればいいか
何でもいいです。大きい小さいは関係ありません。脳がやりたいことをやればいいのです。体力が続かなければ寝ればいい、それだけです。そういうことを考えている時点で、すでにやる気を出してしまっています。脳が求めることをただやればいいのです。疲れたら寝る、お腹が空いたら食べる、そういう自然なことをやってみれば、自然と元に戻っていきます。
質問:直感と思考の関係性。直感が主で思考は従、という捉え方についてどう思うか
主従関係ではありません。役割が違うだけです。直感はおそらく、思考よりもだいぶ正しい認識・判断をしていますが、感受性が鈍っている人はそれを見逃してしまいます。思考は精度がやや低いのですが、分かりやすいため人はそれに頼りがちで、それによって誤りを犯すことが多い、というだけです。自然に行われるシステムと、危機的な時にやる気を出して行うシステムは、単に役割・モードが違うだけです。
質問:イチロー選手が毎朝カレーを食べていたのは、体の繊細な感覚の違いを知るためか
それは本人に聞いてみないと分かりません。ただ、同じことを繰り返すことは定点観測になるので、自分のコンディションを把握するという意味では重要な手法の一つです。その可能性はあると思います。
質問:アニマルセラピーは、動物が体の声を感じて発するエネルギーに人間が影響されるメカニズムか
合っていると思います。それが全ての説明かは分かりませんが、エネルギーというものは、動物であれ、物であれ、人であれ、乗るのです。ということは、伝わる(映る)のです。
エネルギーの伝播について
ポジティブなエネルギーもネガティブなエネルギーも伝わることが分かっています。プラス側については、先ほどのヒーラーの実験などで分かってきています。マイナス側についても実験されています。
ある実験では、危険な体験をした人たち――例えばスカイダイビングをした人たち――の汗を集めたシャツ(無臭であることを確認済み)と、何もない状態の人の汗が付着したシャツ(同じく無臭)を用意し、それを見えない状態で人に匂わせました。何を嗅がされているかも知らせず、体の反応だけを機器で観察しました。
その結果、危険な体験をした人の汗の匂いを嗅いだ人は、コルチゾール(ストレスホルモン)のレベルが急上昇しました。危険な目にあった人間が近くにいるということは、自分も同じ危険にある可能性が高いということを、脳が匂いから察知したのです。
ホルモンの反応は、脳の神経の反応よりもはるかに早く、全身に一瞬で伝わります。コルチゾールが急上昇すると、「ファイト・オア・フライト」の状態になり、思考が一旦停止して、戦うか逃げるかというモードに入ります。
つまり、負のオーラをまとっている人のそばにいると、知らず知らず脳がオフになり、ファイト・オア・フライトの状態が慢性的に続くようになる可能性があるのです。
より良い思考を現実化し、より良い自分になっていくためには、脳の機能をちゃんと利用し、脳が自然な形で新しい自分を生み出せる環境を整えることが大事だとお話ししてきましたが、この状態ではそれがオフになってしまいます。動物的な防衛モードに戻ってしまうのです。
だから、ネガティブなオーラを持つ人、ネガティブな発言ばかりする人から発せられる「言霊」を受け取ると、人はコルチゾールを分泌し、本来の力を発揮できない状態になります。「ネガティブなものは伝染するから距離を取った方がいい」というスピリチュアルや自己啓発の分野で言われてきたことは、こうした形で科学的に確認されてきています。だから、距離を取った方がいいのです。もし自分がストレスを抱えながら生きているなら、周りの人々にもそういう影響を与えている可能性があるので、身の振り方を考える必要があります。自分のためにも、周りの人のためにも、まず自分を大切にすることが大事です。そして、本来の自分に戻ること。人間には遺伝子のレベルで素晴らしい情報が入っているのですから、自然に任せればそういう人間になれるはずです。
質問:戦争が起こる理由は、民衆が体の声を同期しているからか
理由そのものは違いますが、群衆心理として、悪く言えばそのように利用されて起こることがあります。それは戦争がそもそもなぜ起こるかの説明にはなりませんが、なぜ人々がそこに動員されていくかの説明にはなります。
質問:解像度が上がるとネガティブな側面も見えて苦しむ機会が増えるのでは。そのバランスはどう取っているか
距離を取っています。ネガティブなものが見えるのは、私はとてもいいことだと思っています。見えなければ、知らないうちにそれが自分の生活の中にいるということになります。これが一番怖いことです。「良い人間になろうとしているはずなのに、なぜかいつもイライラしている」「なぜかネットに悪口を書き込んでしまう」というのは、ネガティビティが自分のそばにいるからです。
解像度が上がって、その原因が「これだったのか」と分かれば、対処ができます。嫌な気持ちは、私はプラスだと思っています。それは、嫌なものがそこにあることを教えてくれているのです。この声を大事にしなければいけません。「この人に会うとちょっとモヤっとする」という感覚は、何かを教えてくれています。そこから距離を取れば、より良くなれます。だから、これはすごくいいことだと思います。
質問:トラウマなど体に染みついた習慣や身体感覚を克服するにはどうすればいいか
トラウマの克服方法は一概には言えません。ただ、本来の自分という状態、いわば「万全な自分」があるとします。この状態から何かにずれると、問題が起こります。それが心の病、あるいは体の病、つまり病気です。
ヒーリングとは、その人を本来の状態に戻すことを手伝うものです。悪い病気を強いエネルギーでやっつけているわけではありません。私が腰を治してもらったヒーラーは、動物のがんを治す現場にも立ち会ったことがありますが、そのときも「本来の状態からずれているから病変が起きている」という理解で、そのずれを戻すことでがんが発生できない状況にしていました。これが本来の意味での治療です。
トラウマも同じです。何らかのずれが生じたことをどうやって戻すかには、いろいろな方法があります。ヒーリングかもしれませんし、心理療法や運動かもしれません。何がずれているかが分からなければ、どうすればいいかも分かりません。「トラウマ」という客観的な悪いものがあって、それを叩く方法があるというパラダイムではなく、何らかのずれがトラウマと呼ばれる状況を引き起こしているという世界観で捉える必要があります。このずれが何であるかを明確にし、メッシュを細かくして特定する。そうすれば、自然と分かり、自然と戻っていきます。脳とその力を信じることが大事です。
質問:言葉の使い方や言語化をどう意識すれば、脳の状態をいい状態にして引き寄せや実現に近づけるか
それを考えるのは皆さんの仕事ではないでしょうか。今日の話を聞いて、明確な基準や指針、考え方はもう示されています。今日のセミナーを聞いて、より良い人間になろうとしているなら、そんな乱暴な言葉は出てこないはずです。それは、なんとなく分かっているからです。それを明確に分かるまで復習すれば、自然と言葉遣いは変わっていきます。言葉遣いを変えようとやる気を出すのではなく、本当に分かったら自然と変わるのです。
質問:ファイト・オア・フライトの状態と、セミナー前半で出た「やる気を出す」状態は同じか
同じではありません。やる気を出している状態は、脳が動いている(自覚レベルの脳)ため、無意識のシステムとバッティングします。それがやる気の話です。ファイト・オア・フライトは脳がオフになった状態なので、全く違います。
質問:霊感の強い人は解像度が高い人と考えていいか
そのタイプの人もいるかもしれませんが、全員がそうかは分かりません。特別な感性を持っている人もいるようですが、私自身にその感覚がないため、はっきりしたことは言えません。
質問:ポジティブ・ネガティブは解釈次第で、器が大きければネガティブに見えるものからも距離を取らなくていいのでは
解釈だと言っても、限度があります。もし誰かが毎日ナイフで自分を傷つけてきたら、それは間違いなくネガティブな状況です。「それも解釈だ」と血まみれになっている人は相当危険な状態です。ネガティビティというものは、解釈の限りではないと思います。ただ、そう思うのであれば、できる範囲で試してみることも大事だと思います。
質問:病気は「ずれ」を体が教えてくれているものだと分かった。ずれたことをしていると病気になると捉えていいか
その通りです。
私自身、腰痛持ちでしたが、今は全く起こりません。それは正しいトレーニング(腹圧、呼吸、身体操作など)を体系的に始めたからだと思っていました。それはもちろん一因だと思いますが、より本質的には、自分らしくないことをしていたことが腰痛として現れていたのだと思います。
スピリチュアルの世界では、腰痛は怒りの象徴と言われることがあります。何かに対して怒っていることが腰痛として現れるという考え方です。私は自覚として怒っている感覚はありませんでしたが、初めてインドのアーユルヴェーダの先生に見てもらった時、最初に「あなたは世界に対して背を向けている」と言われました。心当たりがありすぎて、笑ってしまいました。かつて人間を否定して神になろうとし、世界を否定する形で平和を作ろうとしていましたが、それは怒りの表れです。自覚していないだけで、脳のレベルには上がっていなくても、体は分かっていたのだと思います。それが腰に集まって腰痛になっていたのでしょう。
正しい運動を始めた時に、本来の機能や、自分の体が100%の能力を発揮する動き方に興味を持つようになりました。そういうマインドの変化、怒りがなくなってきたことが、腰痛が起こらなくなった最も根本的な理由だと思っています。
質問:大切な人が怪我をした時、「治れ」ではなく「元に戻れ」と願う方がいいか
どちらでもいいです。同じです。大事なのは、その願いの中身です。
例えば、最愛の配偶者が顔に大きな火傷を負い、元通りにならないかもしれないとします。「元に戻れ」と願っていて、元に戻らなかった場合、それで愛が減るのかということが大事です。減らないということが大事です。
その願いで願っていれば、形として元に戻らなくても感情は変わりません。だから関係は変わらない、むしろ良くなります。悲劇的な出来事を通して、2人の仲がさらに育まれるのです。単純に「形として元に戻れ」と思うだけだと、戻らなかった時に「残念だ」となってしまいます。それは良くありません。
「戻っても戻らなくても、私は変わらずあなたを愛しています」という状態でエネルギーを送り続け、その上で「あなたが望むなら元に戻ってほしい」という形で願うことです。そうすれば、戻ったら「良かったね、元通りだね」となり、戻らなくても「それでも綺麗だよ」となります。この経験を通して、2人がまた一つ成長した、一段階先の関係になった、という話ができるようになります。そういう思いを持つことが大切です。
質問:言霊・解像度が高い状態で情報発信をすることは、常に新しい自分に生まれ変わっていくことなのか
ヒーリングと情報発信を似ているものと考えているか、というご質問もいただいていますが、共通する部分は大いにあると思います。私のセミナーを聞いて精神疾患が良くなる方が続出する理由も、それで説明できると思います。私は「治そう」と思ってセミナーをしているわけではありません。ただ、みんなの人生が良くなったらいいなと思っているだけです。「良くなる」というのは幅広い概念で、うつ病の方にとっては、ベッドから起き上がれること、歩けることが「良くなる」ということです。「良くなれ」という言霊を受け取れば、その人の状況に応じて、適切な形でその人の中に現れます。ヒーリングはもっとピンポイントな話ですが、私はもっと広く良きエネルギーが届くといいなと思ってやっています。
質問:会話中に知っている言葉が出てこないことがある。原因と対策は
それは無理なことです。私自身もよくあります。人間がよどみなく全ての言葉が出てくるというのは機械のようなもので、逆に気持ち悪いです。そういうものだと思って、あるべき姿を考えるべきだと思います。
質問:心の中で「気持ち悪い」「うるさい」と感じるネガティブな感情にどう向き合えばいいか
ネガティブな感情が出たということは、何かを知らせてくれているのです。それをどう生かすかは、あなた次第です。「その感情を引き起こすものから遠ざかろう」と解釈するのか、「この感情は自分の未熟さのせいで生まれている」と反省するのか、どちらも間違いではないと思いますし、他にもあるでしょう。ネガティブなものとして理解するのではなく、フラットに「知らせ」として受け取ることが大事です。
質問:子供に多い皮膚炎やアトピーも、何かがずれているから起こるのか
そう思います。
質問:花粉症を治したときはどのようなずれを自覚し、どう治したのか
何も自覚していません。自然に、自分らしく生きようと日々心がけました。そうしたら、花粉症は私にはあまりふさわしくなかったのでしょう、私らしくなかったのだと思います。
質問:肉体的な痛みの原因がないのに慢性的に痛みが続く「中枢性感作」のような状態を改善するには
新しいこと、自分が本当にやりたいことをやって脳をワクワクさせることが、実は一番効果的だと思います。自分らしさとは何か、これは考えても分かりません。生きていく中で経験を通して分かっていくものです。今思いつく限りの嫌なことを遠ざけ、やりたいことをやること。一気にそういう人生には変われないと思うので、徐々にシフトしていくこと。「自分らしく生きるんだ」と今日、心に決めること。それは自分を大切にすることです。痛みは、何かを訴えているのです。「私は私らしく生きられていない」という訴えです。それが何かは自分にしか分からないので、体の声をちゃんと聞いてあげる必要があります。体と世界を高い解像度で見られるようになれば、興味を持つものが出てきます。解決しようと思わなくていいのです。
私自身、花粉症を解決しようと色々試した時は何も変わりませんでしたが、「もういいや」と思って自分らしく生きることにフォーカスし始めたら、なくなりました。だから、この痛みを何とかしようと思いすぎないこと。自分らしさにフォーカスして、「今この瞬間から自分を大切にして生きていく」と決めて、その通りに生きることです。そうすれば、気づいた時には変わっています。
私は子供の頃から体がとても柔らかく、大人になってもストレッチをしなくても柔らかいままです。これはおそらくイメージの問題で、体の硬さはマインドから来ていると思っています。マインドを変えるだけで体は柔らかくなるはずです。肉体と心の持ち方は連動しているという一つの例です。自分に興味を持ち、「自分はどういう人間なのか」「何をしてあげたら満たされるのか」を1つずつ興味を持って、丁寧に自分の人生を生きることです。そうすれば、気づいたら好転していきます。
質問:解像度を高めるために何を意識すればいいか
今日のセミナーの内容を理解してください。ずっとその説明をしてきました。
質問:「世界に背を向けて神になろうとした」とのことだが、神はいると思うか
「いる」という言い方が正確かはわかりませんが、あると思います。
質問:自然な状態でない自分になる行為(美容整形など)は、流れに乗りにくくなるものか
乗りにくくなると思います。どんな理由をつけても、それは今の自分を否定していることになります。自分のある箇所を欠点とみなし、それを人工的に変えようとしているわけですから、どんなに綺麗な理由をつけても自己否定です。自分の川からはずれ、傾斜は下がり、幅は狭くなります。
質問:中学生の息子がネガティブな言葉をかっこいいと思っている。親としてできることは
親としてできる具体的な働きかけは特にありません。「そういう汚い言葉を使うことはダメだ」という見方をやめることです。「あなたがどんな言葉遣いをしていても、変わらず愛しています」という目で見るようにすることが大事です。そういうマインドセットを持っていないことは、子供にも伝わります。だから、本人も自覚できないような孤独感から、そういうものにすがりたくなるのです。存在論的な孤独感を与えないことが、親ができる唯一にして最大のことだと思います。
具体的な働きかけをすればするほど、悪化することが多いです。特に男の子の思春期は、母親からの働きかけが良くない方向に働きやすいですが、放っておくのも違います。それはどんどんグレていく方向に向かうこともあります。グレたら怒る、という悪循環にもなりやすいです。そうではなく、「グレても構わない、そこで私の愛は何も変わりません」というぐらいの強いマインドセットを持つことが、親としてできる大きなことだと思います。
質問:口が悪いのに優しさや愛情を感じる人がいるのは、思いのエネルギーが乗っているからか
そうです。パワーの乗った言葉が言霊です。言葉は記号だと言いましたが、口が悪いというのは、記号としての言葉の選び方が悪いだけです。乗っているエネルギーが良ければ、悪い気はしません。言霊としては良いものです。社会的に認められている言語ゲーム上の言葉の選択が悪いだけです。
質問:生きていて「これは運命だ」と感じる瞬間が多い。自分らしく生きていることと関係があるか
多くあるのは素晴らしいことだと思います。普通はそう多くないものなので、いい生き方をしているのだと思います。
質問:本当の自分らしく生きるためには自我の崩壊が必要か
自我は勝手に崩壊しますから大丈夫です。今日話したような生き方をちゃんとしていれば、自我というものに頼らなくなります。
質問:自己洗脳とマインドコントロールの違いは
その2つはほぼ同じだと思います。「洗脳」という言葉を使っている時点で、一緒のものと考えていいと思います。
質問:妻が長くうつ病だった時、「良くなろうがなるまいが変わらずそばにいよう」と本気で思えた瞬間があり、その後回復した。これは今日の話と同じことか
その通りです。本当に腹の底から思うと、エネルギーが変わります。うつ病の状態の人は、脳の表面的な意識の部分がオフになっているため、体感で分かるのです。それが脳に入力され、「ここは本当に素晴らしい場所だ」という情報が脳に上げられ、それを理解した脳が体を動かすのです。
質問:今の体型が気に入らなくて筋トレをすることは自己否定になるのでしないほうがいいか
したいならやったらいいです。あまり難しく考えすぎない方がいいです。整形は不可逆な部分があるので慎重さが必要ですが、筋トレは運動である以上、どんなマインドセットでやっても肉体的にマイナスになることはほとんどありません。理想的には、良いイメージを持って筋トレをすることです。「今の自分がこんな体型で嫌だから何とかしよう」ではなく、「今の自分が気に入っているか」という問いかけをあえてせずに、「あんな自分になりたい」というワクワクする気持ちで筋トレをすることが理想です。この新しい自分のワクワクするイメージだけで筋トレをするのが、一番理想的だと思います。
質問:「影響力は言葉、場の空気、関係性の順に強くなる」と以前教わったが、言霊で説明できるものは何か
その順に強くなるということ自体が、まさに今日説明してきた言霊の話です。
質問:言霊とマインドコントロールは対極になるものか
似ているかどうかも分かりませんが、そもそもコントロールしようという意識も、コントロールすることが目的でもありません。言霊は自然とそうなっているという話です。自分に都合のいい未来を引き寄せたい、現実化したいから言霊を使う、と考えると、マインドコントロールのようなニュアンスを帯びてきますが、私が今日言っているのは、自然に任せて脳と体を発揮させ、自分らしく生きることによって、自分にとって最適な現実が想像される、という話です。何もコントロールしていませんし、洗脳もしていません。自然と起こっていることを、お手伝いしているだけです。むしろ、コントロールを手放すことから今日の話は始まっています。
質問:異常に怖がりだったり、マイナス思考の人は、あらゆる状況を想定しすぎている=解像度が高い人なのか。意図的に解像度を低くする方法はあるか
意味がありません。解像度を高くして悪いことは何もありません。臆病であることはそれとは別の話で、捉え方の問題です。嫌なことが起こったのを、単に嫌なことだと理解しているから苦しくなるのです。それを「素晴らしい教え」「今まで解けなかった謎が1つ解けるきっかけ」と捉えられれば、それは嫌なことではなくなります。臆病であることは人間の持つ素晴らしい特性の一つで、変える必要はないと思います。むしろ、まったく病を持たない人の方が危険です。
質問:美容整形で、老化に伴う機能や見た目の問題を修正する行為も流れを悪くするか
これは難しいところで、どういう思いを持ってやっているかが問題です。私が「美容整形は流れを悪くする」と言ったのは、それが自己否定だからです。顔の形を変えることが具体的に悪いわけではなく、どんな綺麗な理由をつけても自己否定が伴えば良くない、ということです。
例えば、パラリンピックで事故で足を失った人が義足をつけて走ることは、自己否定ではありません。前向きに、新しい自分を目指してやっているので、心を打つのです。いいエネルギーが乗っているから、あの人たちを自己否定的だとは誰も思いません。だから、自分の機能に問題が生じている箇所を、義肢や補綴のようなイメージで新しい自分を前提として直すのであれば、全く自己否定にはなりません。ただ、「今のこの顔が嫌だから」という動機であれば、それはやはり自己否定だと思います。どれだけ自分の新しい自分を心から祝福できるマインドになれるかが大事です。そうなれたら、やるといいと思います。そうなれるまでは、やらない方がいいと思います。
まとめ
質問が多く、体系的に順序立てて話す形にはなりませんでしたが、大切なことはほぼカバーできたと思います。この調子で、しっかりと理解し、実践していただければと思います。大切なことは実践の中にあるとお話ししましたので、いくら頭で理解しても、実践の中でそれを取り込めなければあまり意味がありません。感情が動くような実践を伴い、興味を持ち、新しい自分を想像するワクワク感の中で日々を生きてもらえたらと思います。
そうすれば自然と、自分の理想とする現実が叶っていきます。今理想としている現実は、来年には理想としていないはずです。そんなものを頑張って現実化しようとする必要はありません。ただ自分らしく生きていくことで、その時その時の理想的な状況が叶っていきます。それが本当の意味での言霊の力であり、思考が現実化するということであり、理想の人生を生きるということです。結果として振り返った時に「なんて理想的な人生だったんだ」と思えるような生き方を、今回ご紹介したつもりです。そういう風に生きていただけると嬉しいです。
今の自分の理想という小さい世界に自分を押し込めないでください。3年後、5年後、10年後には成長しているはずなのに、今の理想がそのまま続くわけがありません。今のこの段階では、成長した後の自分を想像することはできません。想像する意味はないのです。ただ自分らしく生きることによって、未来は明るくなっていきます。そういう気持ちで過ごしていただけたらと思います。
以上でおしまいです。ありがとうございました。
